店のホームページに書ききれなかったことを
またちょっとお話することに致します。
●ブレンドのメリット・デメリット
シングルハーブだけで飲んでも意味はないのか?というご質問を受けます。
もちろん単品でも素晴らしい働きをしてくれる優秀なハーブたちなのですが
目的に合わせてハーブをブレンドすることでハーブ同士の相互作用というのが生まれ、何倍もの効果が期待できることがあります。
例えば一般の食品でも鉄分の吸収率を上げるにはビタミンCを一緒に摂るといい、というような話がありますが、ハーブをブレンドするときにこのような「効果的な組み合わせ」があり、相性のいいハーブたちを選んでブレンドすることがあります。
逆に、よくない組み合わせはあるのかというと、特にこれとこれを合わせるのは危険だ、ということはあまり聞きません。
むしろいろんな種類のハーブを摂る方がカラダにはいいと言われています。
ですから一日のうちにあれ飲んで、これ飲んでと、複数のハーブやブレンドを飲むことをおすすめしています。
朝には一日を始める活力を生む朝のハーブティー、
昼には生き生きと活動し集中力を高める昼のハーブティー、
夜にはリラックスや安眠の夜のハーブティーなど
時間帯に応じたハーブティーを飲むのがいいと思います。
かくいう私も毎日5種類ほどのブレンドハーブティーを飲んでいます。
その時によって飲みたいものも変わりますから、カラダやココロと相談しながら選ぶといいですね。
●目的に応じたブレンド
ぷくすけでは体調のお悩みや目的に合わせたブレンドハーブティーを定番で32種類作ってあります。
よくリクエストされるお悩みが32種類ほどはあるともいえますが、
1.味、香り 2.目的 3.抽出時間 4.体積 5.原価
を考慮して配合するハーブを考えています。
通常3種類から7種類くらいのハーブを合わせています。
ハーブの数は多ければいいというものではありません。
3から5種類くらいが一番それぞれのハーブのチカラが発揮できるといわれています。
また種類が多すぎると一杯分の茶葉に全種類入りきらないということも考えられます。
カレーのマサラのようにパウダー状にしてしっかり混ぜてしまえればいいのでしょうが、お茶にするにはあまり細かい茶葉は適していません。
「ペパーミントとカモミール」「ラベンダーとローズマリー」などハーブ界で相性がいいと言われている組み合わせを用いることもありますし、自分で一から考えた(見つけた)いい組み合わせなんかもあります。
特に気に入っている組み合わせは「バニラとカルダモン」「ローズと紫蘇」「ラベンダーとマテグリーン」なんかでしょうか。
我ながら素晴らしいコンビを見つけたなと自負しています。
●店内仕込み
加工を外注して業者さんに原料調達から仕込みまでやってもらっているお店もありますが、うちではハーブを国内の原料屋さんから仕入れ、店のバックヤードで仕込んでいます。
バックヤードはハーブの保存に適した10℃から15℃、夏場でも19℃の空調設定でそれぞれ密閉容器に入れて保存してあります。
湿気や空気、虫の出入りが無いようにしっかり封をしているので、70種類のハーブ、合計200kgくらいがぎっしり詰まった部屋に入ってもなんの香りもしません。
2階のキッチンで仕込んだ食事のにおいがするくらいです(笑)
仕込みといっても煮たり焼いたりするわけではなく、刻んだり潰したりして合わせるだけなので重労働ではありませんが、ひとつのブレンドのストックが1-2kg、すぐになくなってしまうので毎日何かを仕込んでいます。
仕込み部屋は10℃台の寒さなので、夏でも厚手の上着を着こんで、靴下も重ね履き、レッグウォーマーもかかせません。
そしてブレンドした後は味見。
原料のハーブはロットによって味や香りが変わります。
ブレンド毎のレシピはありますが、毎回同じ量を合わせても同じ味にならないこともあり、仕込む度に原料の特徴やレシピのアレンジを記録してあります。
●ブレンドの命は味
カラダによければいいというブレンドが海外には多いのですが、
繊細な舌を持つ日本人にハーブティーを毎日続けてもらうためにはおいしくなくてはいけないと思うのです。
なんといっても「お茶」ですから。飲む意味がありませんよね。
ぷくすけでは何より「味」を一番に考え、
とにかくおいしくないものは提供しない、と決めています。
「できるだけ飲み易いものをください」というリクエストを受けますが
「うちのハーブティーはどれもおいしいですよ」と自信を持っておすすめしている次第です。